滝川徹さんと書いても何か違和感を感じてしまうほど、ワタシの中での彼は「いつでもスタオバさん」という人物像がすっかり定着してしまっています。
ブログを一緒に学んできたという立場からこの作品を読んでみると、想像以上に赤裸々に会社での自分の感情と葛藤が書かれていました。
正直、胸が締め付けられる思いがして、半分くらいで読むのを中断してしまいました。そんなスタオバさんからは見えなかった滝川徹さんの仕事での葛藤を感慨深く読んだ感想書いています。
予想以上に仕事の辛さが詰まった内容の「体験記」だった
月に一回はお会いしている滝川徹さん。いや、スタオバさんからは、少し想像できなかった辛さが前半に書かれていました。
サラリーマンとして会社に勤めることは、その社風や滅私奉公の思想がトップダウンで受け継がれていたり語られることで、大きな会社になればそのカラーの影響の大きさが伺えました。
サラリーマン時代はワタシも東京から来た上司から、まるでいじめのようなダメ出しを連呼され続けた日々ということがありました。
関西人は「ダメだよ!」と言われることに抵抗があります。
何か「バツ✖️」と宣言されているようで、そこには柔らかさが残る否定さが無い印象を受けてしまう。
なので最後は「どうしたらこの人に気に入られる仕事ができるのか?」という心境になったことを覚えています。
もう自分ではコントロールできないほど、仕事中は全てその上司の気持ちを読み取ることに尽力していた自分が居たように思います。
それでもワタシのいる業界は基本的に1から10まで一人でこなすという仕事が多く、そして現場などが始まれば外部へ出ての仕事になります。
経験値が少し上がれば、一人で任されることが多い仕事なので、一時的な苦しみで終わったような記憶があります。
大企業の勤務はそんな世界と自分の立場では無いことが、本書を読めばよくわかります。
概ね企業で仕事をしていくことは「長いものには巻かれていれば何とかなるもの」という空気があり、そこへ逃げ込むのが楽で悩みも減ると判断してしまうのは、この本よ読めばわかります。
タスク管理で武装したアンドロイドであるが故の苦しみ
でも長いものに巻かれず、孤軍奮闘を選んだ滝川さんが、自分の時間確保のために出会ったタスク管理の技術。
ワタシ自身も彼から指導を受けている立場です。
なので、この本を読んで彼が会社で苦しんでいる姿が目に浮かびました。
タスク管理とは自分のためのツールです。人の予定なんて入れるという概念がそもそも無いのです。
自分の予定タスクをデスクトップの「TaskChute」を確認しながらスマートにタスクを処理していく姿。
そして17時に帰宅する姿は周りの人にとっては冒頭の「ヤバい人」と誤解されてしまうという辛さが垣間見れました。
自分を信じ続けて試行錯誤する姿。普通の人なら心が折れてしまいそうな、周りから認めてもらえない気持ちと孤独感との戦い。
周りと孤軍奮闘している彼はタスク管理を極めていくことの裏腹に、周りから孤立していったことが、読んでいて悔しさを覚えました。
ワタシは「たすくま」というiPhone アプリで教えてもらいましたが、「たすくま」はiPhone を弄り回すので、家では「スマホマン」と呼ばれています。
彼が家庭で「アンドロイド」みたいね。と言われたことは、会社でも同じ目で見られていたのだと感じました。
この出版を機に少しタスク管理が会社の人たちに広まれば嬉しいですね。
この本を要約すれば、ここに書かれていることを追体験すれば、少なくとも「残業は減る」ということです。
なぜか泣けた
その中での滝川さんの前半部分の葛藤を読んでいると、あの頃がフラッシュバックされて、苦しくて読むのを止めてしまい、しばらく感慨にふけ、なぜか泣けてしまいました。
それくらい感情移入してしまうほどのサラリーマンの現実が書かれていました。
正直ここまで胸がつまるくらいの内容とは思っていなかったので、読み始めると読書欲が加速して止まらず、グイグイ本書に引き込まれていきました。
そんな、サラリーマンであったことも忘れかけていたほど、歳月を経たワタシでも心が揺れる作品です。
これはビジネス書です。なのに泣いてしまったのは初めての体験でした。
本を読んでワタシが泣いたのは、「北斗の拳」「ワンピース」司馬遼太郎さんの「関ヶ原」と、最近話題の大阪城ものの、司馬遼太郎さんの「城塞」以来でした。
それほど心を揺れ動かしてくれる内容で、ビジネス書とは違う印象でした。
まとめ
「35歳までに一流のビジネスパーソンになる」そのためのスキル、メンターの考えを取入れ、そして実行して、壁にぶつかれば本人に会って話しを聞く。
こんなストイックな姿と行動力は簡単に真似できることではないと感じました。
彼とは世代が違うワタシにも、真摯に向き合ってくれる彼の姿の裏に、こんな葛藤をしてこられたんだと、思いを馳せてしまいました。
そしてだからこそ、今の自分が確立されて言葉にも年齢を超えた説得力があることも、本書を読んで頷けました。
けれど、決して器用ではない彼の周りとのつき合い方が書かれていて、サラリーマンが自由を求めることの難しさを感じさせてもらいました。
ビジネス書を読み漁り、仮説をたて、自分の課題と向き合い、自分の考えを貫いた生き方。
ここに書かれた方法と成功体験で、会社組織、上司、同僚、家族、勉強、タスク管理、ブログなどの自分との距離感を確立させた「彼独自の間合い」を手に入れたのではないでしょうか。
なので全ての同世代のサラリーマンが憧れても真似できるという生き方ではないとは思います。
でも大丈夫。
この本を世に送り出し、一皮剥けてしまった滝川さんが、次回はまた違った表現で「必殺の間合い」を披露してくれることでしょう。
これからの時代のサラリーマンとしての生き方「僕はこうだったけど、こうすれば心は晴れて素晴らしいサラリーマン生活が待ってるよ」と身をもって標してくれています。
最後に
この本の中で年代の違うワタシを「ブログ親友」と紹介してもらっています。(これが一番泣けたかも)
一緒にブログをスタートさせてもらいましたが、スタオバさんは急激にステップアップされて行きました。
彼にとっては自分を表現する場所が必要だったのだと、本書を読んでいて感じました。
以前から出版にも強い夢を持たれていて、2年と少しの期間で実現されました。
本当におめでとうございます!
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
気持ちが楽になる働き方: 33歳 現役の大企業サラリーマン、長時間労働をやめる。
売り上げランキング: 360