長時間労働=ブラック企業化してきている風潮を自分のいる建設業界の場合を考えてみた【現場監督のひとりごと】

「エイベックス・グループ・ホールディングス」人気アーティスト所属の会社が長時間労働の是正勧告を受けた。

その社長の持論の見解が「なるほど」と思う節がありました。

アーティストの方達を抱えた会社と一般企業の違いの意見を読んでいたら、自分の仕事の業界にも、当てはまってしまうことが多そうなので考えてみました。

アーティストが表現する場を獲得するための努力の時間を一般的な就労時間に当てはめることがそもそもできるのか?

先日、SNSのタイムラインから流れてきたニュースで、人気アーティストが所属する「エイベックス・グループ・ホールディングス」の長時間労働是正勧告を受け、労働基準監督署から松浦勝人社長の言葉に少し賛同してしまいました。

▼勧告を受けた内容は下記の通りです。

実労働時間を管理していない▽長時間残業をさせている▽残業代を適正に払っていない--と指摘された。

▼ これを松浦氏は「そもそも法律が現状と全く合っていない」と申されています。

僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い。だから本人は意識してなくても世の中から見ると忙しく働いている人がいるのは事実。だからこそ会社の中にすぐ利用できる病院を作ったり、定期的にメンタルチェックをしたり、時間に限らない社員の労働環境をそれなりに考えてきたつもりだ。でも法律に違反していると言われればそれまで。僕らのやってきた事おかまいなしに一気にブラック企業扱いだ。

それぞれの業界にはそれぞれ特殊な事情がある。労働時間だけに縛られていたら為替のディーラーの人達は仕事にならなくなる。病院で働いている人は労働時間と治療とどちらを優先するべきか。美容師の人達、学校の先生、、、自分の夢を持ってその業界に好きで入った人たちは好きで働いているのに仕事を切り上げて帰らなければならないようなことになる。

法律が現状と合っているかどうかはたくさんの業種が存在しているので、どうとは言い難いです。

でも、好きなことに集中して仕事をしている人というのは、その間は「長時間労働だ!」や「労働時間のわりに賃金が安い!」と考えて活動をしているかは別のような気がします。

松浦社長の主張の詳しくは松浦さんのこちらのブログで。↓

エイベックスさんがどうのこうのと申し上げたいのではないので、ここからは自分のいる業界も含めて考えたいと思います。

ワタシのいる建設業界も就労時間は長い。しかし覚えることが多い業界でもあるので仕方ない部分もある

建設業界は現場は17時や18時に終わります。ですがそこからまだ現場事務所で事務処理等があります。

そんなことをしていたら、終電間際の帰宅ということも多いことだと思います。

ですが休日は休みが取れるという建設会社さんは多いと思います。

ワタシの仕事は内装工事の方なので、閉店後の夜勤や休日の仕事があります。

そんな勤務時間の仕事なので、「それがこの世界だ」と割り切って仕事している人が殆どです。

技術職というのはその仕事の持つ専門的な知識を習得しなければなりません。

ワタシがいる内装工事では、図面を書く技術や現場での経験、見積もりや営業の仕事など、会社の規模によっては、全てをこなすということもあります。

仕事を覚えるまでは事務所に泊まり込んで図面を書いていたり、発注に追われていたという経験をした方は少なくないと思います。

クリエイティブな仕事はある意味、時間よりも違う価値観で自ら進んで仕事をしていることも多い

今は現場の仕事をしているワタシですが、元は設計デザインを志していました。

設計デザインなどの締め切りのある仕事は、プランのアイデアが降りてくるまで必死に考えぬいたりします。

一物件が自分の作品という気持ちで皆さんデザインされています。

そのデザインはデザイナーの頭の中にあるので、プランの肩代わりなどということはできず、その間は時間なんて考えてられず、あるのは締め切りの日時だけです。

ある意味自分の頭の中から「アイデアが降りて来て表現できた時が終わり」という世界です。

降りてきたアイデアを具現化させて、図面化して形にしていくことができて、やっと一通りの仕事ができたことになります。

こうして書くと簡単に思いますが、そのハードルを一つ一つ越えていくのは容易ではありません。

ある程度の一定期間は何に変えても、その仕事の流れを修得するために、時間を忘れて没頭する時があるのも事実です。

まとめ

エイベックスさんどの部署の仕事について長時間労働と指摘されたかはワタシにはわかりません。

所属タレントさんは別としても、その補佐的な仕事をする方たちも勤務時間は不規則な仕事であるようには想像できます。

それをどの基準で縛るのかによって見方は変わるので、一概に「全て右へならえで一緒にはできないよ」というエイベックスさん側の見解なのでしょう。

ワタシがいる業界は人手不足で苦しまなければならない業界です。

建設業界は工事現場の請負で成り立っているのに、作業員の高齢化と人手不足となると深刻な事態になります。

若年層への若返りがこれからの企業の大きな課題です。

建設業界は今やもう死語となりつつある、3Kの職業と言われ続けています。

これからの若い世代にワタシの子供の世代もそろそろ入ってきます。

ワタシの子供の世代はゆとり世代です。

「そっちの水は苦いぞ、こっちの水は甘いぞ」と旗を振っても誰が振り向いてくれるのか?

振り向く事も難しい昨今、こっちへ来てくれるまでに至るのに何か策を講じる時ではないかと思います。

誰がこんな仕事を受け継いでいくのか?という疑問を与えることのないような勤務条件の仕組みを作っていく時期が来たように思います。

何年か先には人手がどんどん減っていく中で、少しでもやり甲斐と働く価値のある体制を作らねば、自分達の首を絞める時がほんの少し先に待っているように思います。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

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なみのり こうぼう

1965年大阪生まれ、大阪在住の内装工事業を1994年からはじめて今年で25年目の なみのり工房 です。

仕事で精一杯だった自分に何か刺激を求めて試行錯誤している時、本で出逢ったメンターの方のセミナーに思い切って参加。人生初セミナー体験で運命的な出会いがあり、ブログを2014年7月からはじめました。

ランニング習慣、仕事、趣味のサーフィン、ゴルフ、たまに犬など思った事を書いています。

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